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【HP】怪鳥の子

第42章 答えはどこへ


 グレンジャーに関することは言っていないはずなのに、どうしてコイツから僕に関わってくるんだ。何より、僕の父の悪口を言われて、カッと頭に血がのぼる。
 反論をする前に、スネイプ先生がグローヴァーを叱りつけたが、全く効果はない。むしろスネイプ先生にまで喧嘩を売る様な発言をして、更に状況を悪化させた。前々からそうだが、コイツはスネイプ先生を怖がる素振りは一度も見たことがない。

 これ以上何も喋るな!と、叫びたくなった瞬間、グローヴァーの隣で作業をしていたポッターの鍋からボンっと大きな音が聞こえた。明らかに教科書には載っていない紫色の煙が、失敗を物語っている。馬鹿な奴だと思っていると、ポッターとグローヴァーがコソコソ話すのが聞こえた。

「ハリー、どうして?」
「あのままじゃ、君、スネイプを怒らせてたよ」
「だからってわざと失敗なんて…」
「いいんだ、これくらい安いもんさ」

 そのやりとりを見て、ポッターがわざと失敗して、スネイプ先生の注意をグローヴァーから逸らしたことに気が付いた。どうしてコイツらは自分をそう簡単に犠牲にできるんだ?恥ずかしくないのか?みっともなくないのか?グルグルと僕の中で複雑な感情が渦巻いていた。

「恥ずかしいねぇ、こんな簡単な薬も作れない奴と同じクラスなんて」

 これ以上庇い合う二人を見ていると反吐が出そうで、僕はポッターをいじることにした。案の定グローヴァーが僕を睨みつけてきたが、ポッターが落第するかも知れないぞと脅せば、僕を鋭く睨むだけで作業に戻った。流石のグローヴァーもポッターにこれ以上迷惑をかけられないとわかっていることに、鼻で笑ってやった。

 最初から僕に喧嘩を売らなければ、こんなことにならずに済んだんだ。もっと突いてやろうと、僕は授業が終わる鐘の音を待った。父上や先生を侮辱したことを後悔させてやる。


 そう時間が立たない内に、授業終了の鐘が鳴った。自分の片付けが終わり、グローヴァーを見てみると、ちょうど向こうも全てを片付け、三人で集まっているとこだった。


「『汚れた血』の連中がまだ荷物をまとめていないのにはまったく驚くねぇ----次は死ぬ。金貨で五ガリオンかけてもいい----誰かがグレンジャーを守り損ねて石になったのが残念だ」
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