第42章 答えはどこへ
それでもグレンジャーが居なくなり、他の寮生たちが恐々としている様子は、見ていて本当に面白い。次は自分の番じゃないのかと怯える汚れた血共は気分がいい。そうだ、このまま学校から去ってしまえばいい。さっさと荷物をまとめて出ていけばいいものを、呆れて言葉が出ない。
魔法薬の授業では、グリフィンドールは完全に沈黙していた。ポッターもウィーズリーもかなり落ち込んでいるとこを見ていると、今にも笑い転げそうになるのを耐えた。
(グローヴァーはどうだ?)
二人と同じように落ち込んでいるのだろうかと、こっそりと後ろを振り返った。
しかし、僕が想像していた落ち込んでいるグローヴァーじゃなかった。静かに作業に取り掛かってはいるが、時々眉間に皺を寄せていた。何かを耐えているようにも見えるが、目を見た瞬間にそれは解決した。憎々しげに材料を刻み、殺してやると思わせるような、冷たい目をしていた。
感情を押し殺しているようだが、余程グレンジャーを石にされて怒り心頭っと言ったところだろうか----、グローヴァーが顔を上げた時、僕は慌てて前を見た。無意識だが、目を合わせてはいけない気がした。
それから、魔力が他の奴らより多いらしいと自分で言っていたが、明らかに力をコントロールしようと訓練していることを考えると、今日は触れずに様子見に徹することだ。わざわざアイツに喧嘩を売るほど、僕も暇じゃない。決して気にかけてるんじゃない、父上もスネイプ先生も関わるなと言っていた。そう、関わらない。それが一番賢い選択なんだ----。
「そりゃ、最高の先生でしょうよ。自分たちを贔屓してくれるんだから」
次の週の魔法薬の授業で、グローヴァーは何が面白いのか、僕の発言を笑った。
「そもそも、学生の半分以上に嫌われてる先生が校長になるなんて、支持した理事たちの頭も疑うよ」
笑ってはいるが、グローヴァーの言っていることは全くどれ一つ面白くなかった