第42章 答えはどこへ
「…」
「----あ、グローヴァーよ!なぁんだ、石になってなかったのね。残念だわ」
パーキンソンの声に、僕は顔を上げた。そこには、グリフィンドールのテーブルに向かって駆けて行くグローヴァーの姿が目に入ったところで、何故か僕はホッとしてしまった。が、その先にはポッターたちがいて、席を立ったポッターがグローヴァーを抱き締めていた。
それを見て、僕はイライラした気持ちが湧いてきた。せっかくグレンジャーが石になって清々しい気持ちでいたのに、グローヴァーが大広間に入っていた途端、僕の気持ちは忙しなく変わる。きっと石になってなくてイライラしてるだけだ。そうでなければ、この気持ちに説明が付かない。
不快なものを見せられたと、僕は朝食を食べることに集中した。
朝食の後、またスネイプ先生の引率で一度談話室に戻ることとなった。
「ドラコ、少し話がある」
と、スネイプ先生が談話室に入る前に僕に声をかけてきた。クラッブとゴイルに先に行けと言うと、僕は談話室の入り口の横に立って、生徒たち全員が入るのを待った。ようやく最後の一人が談話室に入ると、スネイプ先生はようやく口を開いた。
「何、大した事ではない。我輩が教えた解除呪文はうまくいっているのかと思って」
「…ああ、その事でしたらご心配なく。ちゃんと使いこなせるようになりました」
----そうだ、少し前にスネイプ先生から呪いの解除呪文を習いに行っていたじゃないか。それも一ヶ月前の話でも、半年前でもない。数週間前の話だと言うのに、何か気持ちの悪いものが頭の中を這いずっているような気持ちになった。
「…何か、気になる事でも?」
と、スネイプ先生は少し目を細めて僕に尋ねてきた。
「いえ、早く使える場面に出会えないかと思いまして…特に、ポッターの驚く顔が見てみたくて」
「二年生でこの呪文を覚えるのは少し早いくらいだが、君の勉強熱心なところはいい事だ。是非とも、君の爪の垢をポッターに飲ませてやりたいがね」
「アイツにはもったいないですよ」
「確かに」と、スネイプ先生は笑って、「戻っていい」と言われて談話室の中へ入った。