第40章 暗転
「何をしたい変わらないけど、ハーマイオニー流のやり方だよ。何はともあれ、まずは図書室ってわけさ」
と、ロンは肩をすくめた。
「----ハーマイオニー一人じゃ心配だ。私も図書室に行ってくる」
ミラも急いで階段を駆け上がるのをハリーとロンが見届けると、大広間から次々と人が溢れ出してきた。みんな正面の扉からクィディッチ競技場へと向かって出て行った。
「もう行ったほうがいい。そろそろ十一時になる----試合だ」
ロンに促されて、ハリーも大急ぎでグリフィンドール塔へ駆け上がった。
図書室まであと少しと言うところで、「グローヴァー!」と声をかけられた。ミラは足を止めて後ろを振り返ると、息を切らしたドラコが走ってきた。
「来い、話したいことがある」
ミラが返事をする前に、ドラコはミラの腕をつかんで歩き出した。
「ちょっ----なんだ、いきなり!私は図書室に用があって---」
「黙ってさっさと歩け!」
見たことがない真剣なドラコの顔に、ミラは驚いてポカンと口を開けたまま、ドラコに引きづられるように空いた教室に押し込められた。
そして、いきなり杖を向けられ、ミラも杖をドラコに向けた。
「なんでこんなこと…何が目的だ」
ミラの頭の中は混乱していた。ただ、ドラコの深刻な顔をしており、杖を握っている手に力が入った。
「何もしない、だから杖を下ろせ」
「なんの説明もないのに、杖を下ろせだって?」
ミラはますます困惑したが、警戒は緩めなかった。一体どう言う意図があって、ドラコは自分に杖を向けているのだろうか----それよりも、今はハーマイオニーのところへ行かなければいけないというのに。