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【HP】怪鳥の子

第40章 暗転


 もう三年生のことを考えているハーマイオニーに、ミラも負けてられないなと上級生用の呪文学の本を手に取った。それぞれ欲しい本を借りると、二人は談話室に戻った。空いていた席に二人で腰掛け、本を読むことに没頭した。

 本に没頭していると、ハリーとロンが二人に話しかけてきた。ミラもハーマイオニーも顔を上げると、二人は深刻な顔をして「日記がなくなった」と言った。ハリーが部屋に戻った時に、パニック状態のネビルがハリーのものが荒らされたのを発見した。

「そんな…だって----グリフィンドール生しか盗めないはずでしょ----他の人は誰もここの合言葉を知らないもの」
「そうなんだ」
「盗難届を出すべきだわ」
「ダメだ。そんなことをしたら、日記のことを全て話さないといけない…そしたら、ハグリッドのことも話さないといけなくなる…退学処分になったことを蒸し返したくない」

 ミラは三人の話をぼんやりと聞いていた。




 翌朝、外は太陽が輝き、爽やかなそよ風が吹いていた。絶好のクィディッチ日和なはずが、朝食の席に並んで座っているグリフィンドール生の誰かが、『リドルの日記』の新しい持ち主がいるかもしれない----。

 朝食を終えて、四人が大広間を出た。ハリーはクィディッチの試合の支度に向かおうとした時、突然ハリーが叫び出した。ミラ、ロン、ハーマイオニーは驚いて、同時にハリーの傍から飛び退いた。

「あの声だ!また聞こえたーーー君たちは?」

 ミラは首を振った。ロンも目を見開いたまま首を横に振った。ハーマイオニーだけは、ハッとしたように額に手を当てて言った。

「ハリー----私、たった今思いついたことがあるの!図書室に行かなくちゃ!」

 そして、ハーマイオニーはそのまま全力疾走で階段を駆け上がって行った。

「一体何を思い付いたんだろう?どうして図書室なんかに行かなくちゃならないんだろう?」

 ハリーはハーマイオニーの言葉が気になりながらも、一方で声がどこから聞こえるのか、辺りを見回した。ミラも周りを見回したが、変わったところはどこにもない。
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