第38章 日記の行方
「静粛に、みなさん!----ハッピーバレンタイズ・デイ!」
と、ロックハート先生は叫んだ。
「今までのところ、四十六人の皆さんが私にカードをくださいました。ありがとう!」
ミラは静かにハーマイオニーを見たが、ハーマイオニーはわざとなのか、ロックハート先生を見続けて目を合わせようとしなかった。ロックハート先生が手を叩くと、玄関ホールに続く扉から、無愛想な顔の小人が十二人行進して入ってきた。
その小人たちは、ただの小人ではなかった。小人全員が金色の羽をつけ、ハープを持たされていた。
「私の愛すべき配達キューピッドたちです!今日は学校中を巡回して、皆さんのバレンタインズ・デイ・カードを配達します」
と、ロックハート先生はにっこり笑った。
「さらに、お楽しみはまだまだこれからですよ!先生方もこのお祝いのムードを堪能したいと思っていらっしゃるはずです。さぁ、スネイプ先生に『愛の妙薬』の作り方を教えてもらってはどうでしょう!ついでに、フリットウィック先生ですが、『魅惑の呪文』について、私が知っているどの魔法使いよりもよくご存知です。素知らぬ顔して憎いですね!」
フリットウィック先生はあまりのことに両手で顔を覆ってしまった。スネイプ先生の方は、もし聞きにきた生徒がいたら、毒薬を無理矢理飲ませてやる、というような顔をしていた。
「ハーマイオニー、頼むよ。君もまさか、その四十六人に入ってないだろうな」
「そういえば、時間割はどこかしら」
大広間から最初の授業に向かうとき、ロンがハーマイオニーに尋ねたが、ハーマイオニーは急にカバンの中を夢中になって探し始めて、答えようとしなかった。