第38章 日記の行方
「お前の力、どこまで分かっているんだ?」
ミラは一瞬驚いた顔を見せたが、すぐにいつも通りのなんともない顔に戻った。
「聞かないふりをしてくれてると思ったのに…ハリーの苦手なものとか、魔法薬の授業で何をしていたとか、聞きたいこと色々あるんじゃないか?」
と、ミラは意地悪く笑ってみせた。
「ああ、最初はそう考えた。でも、そんなことはこれから調べればいい----それよりその力、ポッターたちにも黙っているだろう」
「----こう言う時、目敏いってよく言われない?」
やっぱりな、とドラコは思った。
それと同時に、ハリーたちにも黙っているということに違和感を覚えたが、早く話せと即す視線を送った。
「はぁ----マクゴナガル先生曰く、魔力が他の生徒より多いらしい。だから、無茶すると体がついていけないっから気を付けなさいって言われた。それだけさ」
「…本当に、それだけなのか?」
ドラコは探るような目でミラを見たが、ミラはヘラりと笑うだけで、それ以上の真相を掴むことは難しいと感じた。だが、ハリーたちにも黙っているあたり、やっぱりその力があまりいいものではないのだろうかと、ドラコは思った。
(コイツのことだ、正直に全部話す訳ない)
「----心配しなくても、ブラッジャーがハリーを狙わなかったら使わないさ」
「だ、誰がお前の心配なんかするかっ!」
「はいはい、じゃ、またね」
と、ミラは教室から出て行った。残されたドラコは、言い逃れたなと、教室を出て行ったミラを恨めしく思った。
(素直じゃないのはお前の方だろう)