第37章 幸せの箱庭
ジニーはやっと微笑んだ。
「パーシーとかにも言った?」
「ううん、余計な心配はさせたくないの…特にパーシーはずっと気にかけててくれてたし」
「わかった。でも、何かあったら兄弟の誰かには伝えるよ」
ミラはジニーが悩んでいることを話してくれてよかったと思った。こんな自分でも、頼りにしてくれているんだと思うと、心がポカポカと暖かくなった。
・・・・・
そしてクリスマス休暇が終わると、生徒たちが戻ってきた。当然、ハーマイオニーはまだ医務室から帰ってきておらず、そのせいで襲われたに違いないと、様々な噂が飛び回った。ハーマイオニーの姿を見ようと、医務室にやってくる生徒たちのために、マダム・ポンフリーがまたいつものカーテンを取り出して、ハーマイオニーのベッドと囲った。
ハリー、ミラ、ロンは毎日夕方にその日の宿題を届けに行った。この頃には顔の毛もさっぱり無くなり、目も少しずつ褐色に戻ってきたおかげで、ハーマイオニーの気分も随分前向きになっていた。
「何か新しい手掛かりはなかったの?」
と、ハーマイオニーがマダム・ポンフリーに聞こえないように、声を顰めて言った。
「なんとも」と、ハリーは憂鬱な声で言った
「絶対マルフォイだと思ったのになぁ」
「だから、それはありえないって言ったじゃん」
ロンの呟きに、ミラはため息を吐いた。その言葉はもう百回は繰り返しているからだ。
「それ、どうしたの?」
と、ハリーがハーマイオニーの枕の下から何か金色のものがはみ出しているのを見つけた。
「ただのお見舞いカードよ」
と、ハーマイオニーは慌ててそのカードを押し込もうとしたが、ロンがそれを素早く引っ張り出して広げて声を出して読み上げた。
「えー、ミス・グレンジャーへ、早く良くなるようお祈りしてます。貴女のことを心配しているギルデロイ・ロックハート教授より。
(勲三等マーリン勲章、闇の力に対する防衛術連盟名誉会員、『週刊魔女』五回連続チャーミング・スマイル賞受賞)----こんなもの、枕の下に入れて寝てるのか?」
と、ロンが呆れ果ててハーマイオニーを見た。