第35章 クリスマスとポリジュース薬
「それにしても、『日刊預言者新聞』が、これまでの事件をまだ報道していことに驚くよ」
と、ドラコは考え深げに話し続けた。
「多分、ダンブルドアが口止めをしてるんだろう。こんなことがすぐにも決着しないと、アイツはクビだ。父上は、ダンブルドアがいることが、この学校にとって最悪の事態だと、いつもおっしゃっている。アイツもマグル贔屓だ。きちんとした校長なら、あんなクリービーみたいな人間のクズを、絶対に入学させたりはしない」
そう言ったドラコは、架空のカメラを構えて写真を撮る格好をして見せた。それはコリンそっくりの真似で、ハリーとロンは今すぐにでも殴ってやりたいと思い、耐え忍んだ。
「ポッター、写真を撮ってもいいかい?ポッター、サインをもらえるかい?君の靴を舐めてもいいかい、ポッター?----二人とも、一体どうしたんだ?」
手を下ろしたドラコが、二人を不思議そうに見た。二人は慌てて無理やり笑ってみせた。遅すぎたかと思ったが、クラッブもゴイルも普段これくらい鈍かったのか、ドラコは満足したようだった。
「聖ポッター、『汚れた血』の仲間」と、ドラコはゆっくり話し始めた。
「アイツも、やっぱりまともな魔法使いの感覚を持っていない。そうでなければ、あの身の程知らずのグレンジャーなんかと付き合ったりしないはずだ。それなのに、みんながアイツをスリザリンの継承者だなんて考えている!」
ハリーとロンは息を殺して待ち構えた。やっとドラコが自分自身が継承者だと口を割ることに、心が躍り出しそうになった。
「それにしても、一体誰が継承者なのか僕が知ってたらなあ。手伝ってやれるのに」
二人はショックを受けた。ドラコが継承者でないことに、一気に心が沈むのが分かった。ロンに至っては、顎かカクンと開き、クラッブの顔がいつもよりもっと愚か者に見えた。
「で、でも、誰が影で糸を引いてるか、君は心当たりがあるんだろう…」
ハリーは素早く質問した。