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【HP】怪鳥の子

第35章 クリスマスとポリジュース薬


 ミラは黙って扉の前から離れると、ハリーとロンの安否を祈りながら、二人が出てくるのを待つことにした。




・・・・・



 スリザリンの談話室は、細長くて天井の低い地下室で、壁と天井は荒削りな石作りだった。天井から丸い緑色がかったランプが鎖で吊るされていた。

「ここで待っていろ」と言ったドラコは、暖炉から離れたところにある空いた椅子を二人に示した。

「今持ってくるよ。父が僕に送ってくれたばかりなんだ、これは笑えるぞ」

 一体何を見せてくれるのだろうかと思いながら、ハリーとロンはできるだけくつろいだふうを装いながら椅子に座った。ドラコはすぐに戻ってくると、新聞の切り抜きのようなものを持ってきた。それを二人の目の前に突き出すと、二人はは目を見開いてその記事を見た。

 それは日刊預言者新聞の切り抜きだった。

 『魔法省での尋問』とタイトルがあり、そこにはロンの父、アーサー・ウィーズリーのことが書かれていた。マグルの自動車に魔法をかけた容疑で、金貨五十ガリオンの罰金を言い渡されたこと。更に、ホグワーツ魔法魔術学校の理事の一人、ルシウス・マルフォイがその車が学校に墜落させたことで、アーサーに辞任の要求した内容だった。

 ロンは無理やり笑い、ハリーも沈んだ声で笑った。自分たちのせいでアーサーが大変な目に遭っていることを知り、特にハリーは申し訳なさでいっぱいになった。

「アーサー・ウィーズリーはマグル贔屓なんだから、杖を真っ二つにへし折って、マグルの仲間になればいい。それに他のウィーズリーの行動を見てみろ。本当に『純潔』かどうか怪しいもんだ」

 と、ドラコは蔑むように言い放った。ロンは黙ってはいたが、顔が怒りで歪んだ。

「クラッブ、どうかしたか?」
「腹が痛い」

 と、ロンは絞り出したような声で言った。

「ああ、それなら医務室に行け。あそこにいる『汚れた血』の連中を、僕からだと言って蹴っ飛ばしてやれ」

 と、ドラコはクスクス笑いながら言った。
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