第35章 クリスマスとポリジュース薬
それからフレッドとジョージに捕まり、前髪をまた少し切られた後、みんなと談話室で爆発ゲームを始め、夕飯の時間になるまで遊んだ。
大広間へ向かう途中、ハーマイオニーがこっそりポリジュース薬が完成し、今夜作戦を決行することを言われた。ついにこの日が来てしまったかと、ミラは内心複雑な想いだった。ハーマイオニーもそれを分かって教えてくれたのだろうが、これはドラコが『継承者』ではないことを証明するためにも、仕方のないことだとミラは自分に言い聞かせた。
ホグワーツのクリスマス・ディナーだけは、何があろうと楽しいしか思い浮かばなかった。この後ポリジュース薬を飲み、ドラコから真実を聞き出そうとしていても----。
大広間は豪華絢爛に彩られていた。霜に輝くクリスマスツリーが何本も立ち並び、柊とヤドリギの小枝が、天井を縫うように風られていて、魔法で天井から暖かく、乾いた雪が降りしきるようになっていた。
グリフィンドールのテーブルに向かう途中、すでにスリザリンのテーブルにいたドラコを見かけた。向こうもミラ達に気が付いたが、談話室で見たハリーとロンのようなポカンとした顔をしていた。ハリーを見かけたら、すぐに野次を飛ばすくせに、野次を飛ばしてこないなんて珍しいなと思いながらミラは席についた。
ダンブルドア校長は、お気に入りのクリスマス・キャロルを二、三曲指揮したが、どれも素敵な曲だった。
途中、フレッドがパーシーの監督生バッジを悪戯して、『劣等生』にすり替わっていることに気が付いた。みんながクスクス笑うたびに、気が付いていないパーシーはどうして笑うのか尋ねていた。
ハグリッドはエッグノッグをゴブレットでがぶ飲みするたびに、元々大きな声がますます大きくなっていた。お酒はそんなに美味しいものなのだろうかと、ミラは不思議に思った。
ミラはハーマイオニーと席を立つと、マクゴナガル先生の元へ向かった。マクゴナガル先生もお酒を嗜んでいるようだったが、ハグリッドのように酔っ払ってはおらず、厳格な顔が少し和らいでみるくらいだった。
「メリークリスマス、ミス・グローヴァー、それにミス・グレンジャー」
「メリークリスマス、マクゴナガル先生」