第35章 クリスマスとポリジュース薬
時々蛇がジッとスキャバーズを見つめた時、スキャバーズは蛇に睨まれたカエルのように固まった後、一目散に逃げていくのを何回か目撃したが、蛇がスキャバーズを追い回す様子は今のところなかった。
「ふあ」
お昼だと言うのに、ミラは大きな欠伸を噛み締めて、誰も使っていな三人がけのソファーの上で横になった。周りでバンバン大きな爆発が聞こえても、ミラの頭はフワフワした雲に乗ったかのように眠たかった。
このところ毎晩、トムと日記でたわいもない話ししをした後、蝋燭を付けたり消したりの練習していた。おかげでミラの目の下にはうっすらと隈ができていた。
「ミラはまた寝てるのかい?」
「最近眠れないみたいよ」
爆発ゲームをしていたハリー、ハーマイオニー、そしてウィーズリー兄弟達は、安らかに眠っているミラをこっそり覗き見た。フレッド、ジョージ、ジニーも、両親と一緒にエジプトにいる兄のビルを訪ねるより、学校に残る方を選んでいた。
ただしパーシーも居残り組にいたが、フレッドとジョージの行動が子供っぽいと言って、ほとんど談話室には現れなかった。
「眠ってると、喧嘩が強いなんて思わないよな」
と、フレッドが呟いた。
「結構喧嘩っ早いよな。本屋でマルフォイの首元掴んで睨み付けてたし」
と、その隣に並んでいたジョージも、興味深げにミラの顔を覗き込んで言った。余程眠たかったのか、二人が話してもミラは起きる気配がなかった。
「そういえば、あの蛇は結局ミラが飼うわけ?」と、ジョージは暖炉の前で眠っている蛇を指さしてハリー達を見た。
「多分…こんな季節に外に追い出すのは可哀想だって」
去年ハグリッドが違法でドラゴンを飼育していた時も、ミラだけがノーバートとの別れを惜しんでいた。ハリーには、ミラがこの蛇を手放すことはないだろうと思った。