第35章 クリスマスとポリジュース薬
『そんな大した力じゃないよ。先生曰く、私は他の子より魔力が多いみたい。だけど、多すぎる魔力に
体がついていけないらしい---先生には使用禁止って言われたんだけど---私はこの力をもっと上手く使えるようになりたい。トムなら、この力どうする?』
トムならきっと理解してくれるのでは?と、ミラはどこか期待していた。トムなら自分の境遇もわかってくれている。次の文字が浮かび上がるまで、ミラはソワソワしていた。
『僕も君の体に影響を及ぼす力なら、君の先生と同様、反対だ----と言いたいところですが、君の素晴らしい力をここで潰すなんてこと、僕にはできない。力は使うべきだ、何故なら、力は選ばれたものにしか使えないのだから』
ミラは体が震えた。やっぱりトムならわかってくれると歓喜した。
『トムならそう言ってくれると思った。私はもっとこの力を使いたい。この力で友達を守ってきたのに、先生は理解してくれない。力がなければ、何も守れないってトムもそう思うよね?』
『ミラの言う通りです」
ミラは笑みを深めた。ハリー、ロン、ハーマイオニーがもし自分の力のことを知れば、きっと力を使うことに否定的だとわかっていた。心配してくれるのは嬉しかったが、それ以上に三人の役に立ちたかった。
ドラコは----『あまりいいと思えないな、程々にしておけよ』と言ってくれたが、どっちとも言えない。今は誰にも言うべきではないと判断した。もし力を上手く扱えると証明できれば、きっとマクゴナガル先生も考えを改めてくれるに違いない----ミラはそう思った。
ミラは賢者の石のことは避けつつ、トロールと戦った時と、ブラッジャーのことを、自分が知る限りのことをトムに教えた。
『僕が考えるに、ミラは力を一気に出しすぎている気がするのです。咄嗟だったと言うのもありますが----ですが、僕も似たような力があります。訓練すれば、君はもっと素晴らしい魔女になるはずです』
トムは訓練する内容を書き起こした。ミラは日記をしっかりと持ち、一字一句逃すまいと、しっかりと記憶した。