第35章 クリスマスとポリジュース薬
そう言って、ミラは医務室を後にした。談話室に着くと、ハリーがロンとハーマイオニー達と一緒にいてホッとした。ジニーのことで話があると、ロン、フレッドとジョージ、パーシーを見つけてミラはジニーが医務室にいることを話した。
「ありがとう、ミラ。目を光らせてたつもりだったんだが」
と、パーシーがお礼を述べて談話室から出ていった。きっとジニーの様子を見に、医務室に言ったのだろう。これでジニーが談話室にいないことに、兄弟達が心配することもないだろうとミラは安心した。その後ミラはジニーに言われた通り、一年生の女子部屋のジニーのベッドの横にあったトランクから、こっそりと日記を取り出した。
みんなが寝静まった後、ミラは談話室に日記を持ち出して、暖炉に比較的近いテーブルと椅子に座った。日記を開いたのは、ドラコとちゃんと話ができた時以来だった。それからブラッジャーのことやポリジュース薬のことで、ミラはすっかり日記のことを忘れていた。
一体トムに何を言われるのだろうかと、ミラは少し緊張した面持ちで日記に文字を書き始めた。インクはすぐに日記に染み込むと、綺麗な字が浮かび上がってきた。
『やあ、ミラ。ずっと君が日記を書いてくれないから心配してました』
『私は元気だよ。少し忙しくて時間がなかった----そういえば、ジニーが体調不良なんだけど、何か心当たりある?』
前にもジニーの相談事ことを聞いてみたが、トムはプライバシーに関わると言うことで、絶対に教えてくれなかった。しかし、ジニーが学校に来てから体調が良くない日が多いように思え、もしかしたらトムに何か相談していないかと、ミラは気軽に訪ねてみた。
『ジニーの体調については、僕は何も----早く元気になるといいのですが』
やはりジニーの情報は手に入れられなかった。ミラは談話室の前で様子のおかしいジニーのことを話そうと思ったが、どう話せばいいかわらず、何も書かない事にした。
『ジニーから聞いたのですが、君は不思議な力を使ってブラッジャーを止めて倒れたと聞いてます』