第35章 クリスマスとポリジュース薬
ミラはジニーの体調が悪くないか、廊下ですれ違う時や、談話室にいるとき、ジニーを見かければこっそりと注意深く観察していた。
ジャスティンとニックが襲われた同日、ミラが急いで談話室に戻っている時、フラフラした足取りで談話室に向かうジニーを見つけた。
ミラが「ジニー!」と呼びかけても反応がなく、ミラはジニーの前に回り込んでもう一度名前を呼んだが、ミラはハッとジニーから飛び退きそうになった。
ジニーの上衣にはたくさんの白い鳥の羽と思われるものがあちこちについており、ジニーの顔は真っ青で、目はどこか虚でぼんやりしているように見えた。
「じ、ジニー…?」
ミラは得体の知れない恐怖に鳥肌がたったが、体調が悪そうなジニーにミラは放っては置けなかった。ハリーも心配だったが、今は目の前にいるジニーが最優先だと判断した。ミラはジニーを人目につかない方へ連れて行くと、服についている羽を払い落とした。
「----ミラ?」
まるで今まで意識がなかったかのような反応だった。誰かにおかしな呪いでもかけられたのだろうか?それにしては外傷などはなく、異常なのは鳥の羽がついた上衣。
「わたし…これは…?」
「大丈夫、フクロウ小屋にでも行っての?こんなに羽だらけにして」
「フクロウ、小屋…?」
「とりあえず、医務室に行こう、ジニー。顔が真っ青だ」
あらから羽を取り除いたら、ミラはジニーを医務室へ連れて行った。顔色の悪いジニーを見たマダム・ポンフリーは急いで『元気爆発薬』を処方してくれた。様子見のため、しばらく医務室に残るよう言われたジニーに、ミラはロン達にジニーのことを伝えておくと言って去ろうとした。
「ミラ、待って…」と、ジニーはミラを呼び止めた。
「日記--私の部屋のトランクに入ってるから----トムが、またあなたと話したがってたわ---きっと私の相談ばっかりで飽きちゃったのかも…」
「そんなことないさ。私がサボりすぎてるだけ----わかった、あとで取っておく」