第35章 クリスマスとポリジュース薬
フレッドとジョージがハリーとミラがスリザリンの継承者だなんて、全くバカげた考えだと思っているのだと、ミラにはわかっていたし、ハリーも二人のことは気にしていなかった。
「次は誰を襲うつもりか」と、フレッドが大声で尋ねると、ミラは「この間図書室にいた----」と、たまたま近くにいたアーニーとその他のハッフルパフ生たちの方を見て言うと、ハッフルパフ生たちは慌てふためき、ドタバタと足音を立てて逃げ去っていった。
「この間図書室で脅かしてやってんだ、この蛇を使ってね」
と、ミラは逃げていったハッフルパフ生たちを得意げな顔で説明をフレッドにすると、フレッドは「さすがだな、ミラ!」と、多大に褒めてくれた。ジョージとすれ違った時は、大きなニンニクの束で追い払う振りをするなど、二人の行動にミラとハリーはいつも笑わされた。
しかし、ジニーはその度に「お願い、やめて」と涙声になって止めようとしていた。フレットとジョージ、そしてミラは、なるべくジニーがいない時を狙ってふざけるように気を付けた。
そしてもう一人、双子とミラの道化ぶりを見るたび、ドラコはイライラし、ますます不機嫌になっているのだった。ミラはいまだにドラコと目が合わないように避け続けていたが、フレッドとジョージのおふざけに付き合っていたせいか、余計にイライラしているようにも見えた。
「そりゃ、本当は自分がそう言いたくて仕方ないからさ」
と、ロンが訳知り顔で言った。
「あいつ、ほら、どんなことだって自分を負かすやつは憎いんだ。何しろ君は、奴の悪行の功績を全部自分のものにしてるわけだろ」
「ハリーは不本意で、だけど」
「長くはお持たせしないわ。『ポリジュース薬』がもう少しで完成よ。彼の口から真実を引く日も近いわ」
と、ハーマイオニーは嬉しそうに言った。