第34章 決闘クラブと蛇
「追い立てたりなんかしてない!蛇はジャスティンをかすりもしなかった!」
「もう少しってところだった」
アーニーはハリーの話しを聞き入れなかった。それどころか慌てて付け足すように話し出した。
「それに言っとくけど、僕の家計は九代前まで遡れる魔女と魔法使いの家系で、僕の血は誰にも負けないくらい『純血』だ、だから----」
「君がどんな血だろうと構うもんか!」
ハリーは怒鳴った。ミラもアーニーを非難するような視線を向けた。
「なんで僕がマグル生まれの者を襲う必要があるんだ?」
「君が一緒に暮らしてるマグルを恨んでるって聞いたよ」
「ダーズリーたちと一緒に暮らしていたら、憎まないでられるもんか。できるものなら、君がやってみればいい」
ハリーは体の向きを変えて、怒り狂って図書館から出ていった。ミラはハリーの後を追わず、ジッと佇んでアーニーたちを睨み付けていた。その迫力に、ハッフルパフ生たちは冷や汗が止まらなかった。
「お前も孤児院の院長を恨んでるって聞いてるぞ」
と、アーニーが恐々と話しかけた。
「----さっき、アンタが純血だって行った時、それは他の奴は違うから、自分だけは襲わないでくれって意味で言ったのか?だとしたら、誰でも受け入れるハッフルパフも終わりだな、本当はフレッチリーのことなんてどうでもいいんじゃないか?」
「そんなことない!」
「どうだか」と、ミラは小馬鹿にしたようにアーニーを見下した。
「そんなに私たちが怖いなら、さっさと退学して、マグルの学校に転校すればいい。私たちのこと、何も知らないくせに知ったような口してコソコソ話してさ----私だったら今ここで全員石にしてやってもいい」
と、ミラはこっそり握っていた杖をアーニーに向けた。ハッフルパフ生たち全員が凍りついたようにミラを見た。
「フレッチリーに伝えてくれよ、蛇は元気にしてるって」
ミラはセーターの中に潜り込んでいた蛇の支えていた手を話すと、ズルリと蛇がミラの下に落ちた。それを見たハッフルパフ生達は叫び声をあげて飛び上がった。軽くパニックになっている様子に、ミラはニヤリと笑うと、素早く蛇を拾ってその場から離れた。