第34章 決闘クラブと蛇
途中マダム・ピンスが何事かと怖い顔をして悲鳴の聞こえる方へ走るのが見え、ミラは近くの本棚に身を隠した。
上手く図書室から抜け出すと、ミラはハッフルパフ生の慌てふためく様子を思い出して笑い出した。腹の中に隠したヘビーが顔を出し、シューシュー怒ったような声を出していた。
「ふは、ははははは!ごめんって!だってアイツら、あんなにアンタのこと怖がるんだ、はー、いい君だ」
本当は呪いでもかけてやりたかったが、今はこの蛇だけでも十分の効果があり、ミラは大満足していた。散々ハリーの陰口を言っていた割には、弱い奴らが集まって群れているだけで、大したことがない連中だとミラは思った。
蛇をなんとか宥めて、ミラはまたセーターの中に蛇を入れた。図書室は暖炉があり暖かかったが、廊下は凍えるほど寒かった。
ミラは辺りを見回したが、ハリーの姿は見えなかった。あのまま怒り狂って、どこかへ歩いて行ってしまったようだ。ハリーがどこに行ったか検討がつかないミラは、談話室に戻ることにした。
ロンとハーマイオニーに、図書室で起こったことを話してやろうとワクワクしながら談話室へ向かっていると、ポルタガイストのピーブスの叫び声が学校中に響き渡った。
「襲われた!襲われた!またまた襲われた!生きてても死んでても、みんな危ないぞ!命かながら逃げろ!おーそーわーれーたーーー!!」
ミラはハリーが談話室に戻っていることを願いながら、談話室までの上り階段を、できる限り早く駆け上った。