第34章 決闘クラブと蛇
次の日の朝、楽器最後の薬草学は、前夜に降り出した雪が大吹雪になり、授業は休講になった。ハリーはジャスティンに蛇に攻撃をやめさせたんだと説明がしたかったが、授業が休講になったせいで朝からイライラしていた。
ミラは昨日の蛇を首に巻きつけて、暖炉の側のソファーでロンとハーマイオニーの魔法チェスをしているのをぼんやり眺めていた。イライラしたハリーに、蛇語を教えてくれなんて言える雰囲気でもなく、暖かい暖炉に居眠りしそうになった。
「ハリー、こうしたら」
ハリーの様子を見かねたハーマイオニーが言った。
「そんなに気になるんだったら、こっちからジャスティンを探しに行けばいいじゃない」
ミラはハッと意識が覚醒すると、談話室の外へ行こうとするハリーを見かけて慌てて追いかけた。談話室の外は寒く、首に緩く巻きついていた蛇が寒さのあまり、ミラに強く巻きついてきた。
危うく首を絞めかけられたが、体の大半をミラのセーターの中に潜り込ませ、ミラは膨らんだお腹を抱えて歩き出した。セーターの首元からちょこんと顔だけを出して、散歩を楽しんでいるのか、眺めている様子だった。
「ついてきてよかったの、ミラ?」と、ハリーが聞いてきた。
「ロンもハーマイオニーもチェスしてるし---それに、この蛇はもう危険じゃないって見せてあげないと」
心配でついてきたとは言わず、ミラはハリーの隣を歩いた。すると、ミラのセーターの首元から顔だけを出している蛇がシューシュー声を出した。何かハリーに話しかけているようで、ミラは期待を込めてハリーを見た。
「なんて言ってるんだ、この子?」
「…昨日魔法をかけてきた奴は許せないって」
「ロックハートのことか。あの人、ちょっと噛まれて医務室にこもってくれないかな。マダム・ポンフリーに頭を見てもらったほうがいい」
ハリーとミラは、ジャスティンは空いた時間に授業の遅れを取り戻そうとしているかもしれないと、図書館を確認してみることにした。思った通り、薬草学で一緒になるはずだったハッフルパフ生たちが図書館の奥の方で固まっていた。しかし、勉強している様子ではなかった。