第34章 決闘クラブと蛇
「それでも、ジャスティンはハリーに感謝すべきだ!あのポンコツ教師のせいで、蛇がもっと怒ったのはみんなわかってはずだ…別にハリーが蛇語を話したって…何か問題でもあるの?」
ミラもハリーと同様理解できなかった。誰も怪我をしなかった、ただそれだけじゃダメなんだろうか?ジャスティンがどうなろうとミラの知ったことではなかったが、親友のハリーをまるで腫れ物のように扱う周りにイライラした。
「問題になるのよ」
と、ハーマイオニーがやっとヒソヒソ声で話し出した。
「どうしてかっていうと、サラザール・スリザリンは、蛇と話し子ができることで有名だったからなの。だから、スリザリン寮のシンボルが蛇でしょう」
ミラとハリーはポカンと口を開けた。
「そうなんだ…今度は、学校中がハリーのことをスリザリンの曾々々々孫だとかなんとか言い出すだろうな----」
「だけど、僕は違う」
「それは証明し難いことね」
と、ハーマイオニーが言った。
「スリザリンは、千年ほど前に生きてたんだから、あなたがそうだという可能性もあり得るのよ」
・・・・・・
その日の夜、ミラは部屋のベットに入ってカーテンの天井を眺めていた。蛇はミラの隣で塒を巻いて眠っていた。自分で熱をつくれないせいで、ピッタリと寄り添っていたが、ミラはそんなこと気にも留めなかった。
ミラはハリーが心配だった。蛇語のこともよく分からず、大広間で大はしゃぎしてしまったこともあったが、何よりきっとまたハリーは悩んでいるだろうなと思った。ただ自分にできることは、ハリーにそばに寄り添うことしかできない。
「誰が誰の子孫だっていいじゃん…ハリーはハリーなのに…」
ハリーの祖先がたとえサラザール・スリザリンでも、ミラにはどうでもよかった。ハリーは嫌そうにしていたが、正直蛇と会話ができるハリーが羨ましいと思っていた。ハリーを通して、拾った蛇と会話がしたかった。