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【HP】怪鳥の子

第34章 決闘クラブと蛇


「一 ---- 二 ---- 三 ----」

 
 二人は杖を肩より高く振り上げた。


「エクスペリアームス(武器よ去れ)!」

 

 スネイプ先生の声が静かだった大広間に響いた。目も眩むような赤い光が、ロックハート先生に直撃すると、ロックハート先生は舞台から吹き飛んだ。後ろ向きに宙に飛び、陰に激突してズルズルと壁伝いに滑り落ちて大の字で床に倒れていた。
 スリザリン生からは歓声が上がり、ミラも歓声はあげなかったがニヤリと笑った。


「先生、大丈夫かしら?」
「知るもんか!」

 心配しているハーマイオニーに、ハリーとロンが声を揃えて言って。
 ロックハート先生はフラフラと立ち上がると、よろめきながら舞台に戻ってきた。

「さぁ、皆さんわかったでしょう!あれが『武装解除の術』です----ご覧の通り、私は杖を失ったわけです----スネイプ先生、確かに生徒にあの術を見せようとしたのは、素晴らしいお考えです。しかし、遠慮なく一言申し上げれば、先生が何をなさろうとしたかが、あまりにも見え透いてましたね」

 ペラペラと喋り出したロックハート先生は、もはや言い訳を述べているように見えた。しかし、殺気だったスネイプ先生に気が付いたロックハート先生は、クルリと背を向けて生徒たちにニッコリと笑顔を見せた。

「模範演技はこれで十分でしょう!では、これから二人一組でやってもらいます。スネイプ先生、お手伝い願いますか…」


 二人は生徒の群れに入り、生徒を二人ずつ組ませた。

「ハーマイオニー、今のスネイプの呪文覚えてる?」
「武装解除の呪文ね」
「確か、こうだったかな?」

 ミラは杖を持った手をハーマイオニーに振って見せると、「もう少し手首は小さく振ってたと思うわ」と微調整の助言をもらうと、ミラは何回か手首を回した。

「エクスペリアームス…うん、わかった」

 何回か呪文を呟いたミラは、早速試したくて体がウズウズした。
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