第34章 決闘クラブと蛇
「こう言う時のミラって頼もしい反面、ちょっと怖いよな」と、もう武装解除の呪文を理解し出したミラに、ロンが小さな声で呟いた。ミラはハーマイオニーの次に呪文を覚える速さがいいが、実験台になるのはハリーやロンが多い。
「じゃあ…ハリー、一緒にやる?」
ミラはニヤリと笑ってハリーを見ると、ハリーは顔を引き攣らせた。
「え、っと…」
「ハリーは僕と組むよ、だからミラは、ほら、ハーマイオニーとかピッタリだと思う。僕たちより色んな呪文を知ってるし、かなり手強いと思う」
「ロン、たまには天才的なことも言えるんだな」
ミラはハリーとロンから、ハーマイオニーに向き直った。
「なんで気付かなかったんだろう。確かに、二人より手強そうだ」
「あなた相手だと、少し緊張するわ」
ハーマイオニーは緊張した面持ちでミラと対峙したが、引く事は一切なく、むしろワクワクしているようにも見えた。中々いい試合がみれるのでは?と、ハリーとロンが思っていると、そこへスネイプ先生がやってきた。
「どうやら、名コンビもお別れの時が来たようだな」
薄ら笑いを浮かべたスネイプ先生は、ロンをシェーマスと組ませた。ハリーはその場をそっと離れるように歩き出す前に、スネイプ先生はドラコを呼び出した。
「来たまえ、ミスター・マルフォイ。かの有名なポッターを、君がどう捌くのか拝見しよう。それに、ミス・グレンジャー----君にはミス・ブルストロードと組みたまえ」
ドラコはニヤニヤしながら気取ってやって来た。その後ろを歩いて来たスリザリンの女子、ミリセント・ブルストロードは、『鬼婆との休暇』に出てきた挿絵のようだとミラとハリーは思った。大柄で、四角張っていてガッチリした顎を先頭的に突き出していた。
ハーマイオニーが微かに会釈したが、相手は会釈を返さなかった。ミラはスッと目を細めてミリセントを睨み付けた。