第33章 不測の事態
「これを投げ入れたものが誰か判明した時は、私が間違いなく退学させてやる」
と、低い声で言った。スネイプ先生はハリーの顔を真っ直ぐ見据えてると、その後ろにいるミラも見据えた。ミラは、私じゃありません、と無表情でスネイプ先生を見返した。
それから十分後、授業を知らせる鐘が鳴った。それまで、ミラは隣の席のドラコと、スネイプ先生から視線を感じていた。スネイプ先生は時々ハリーを見ていたが、ミラはハリーがやったのがバレないかとヒヤヒヤしていた。
「スネイプは僕がやったってわかってるよ」
と、授業が終わった帰り、四人はそのまま『嘆きのマートル』のトイレに向かった。
「何故か私も共犯者扱いされてるんだけど」
ハリーに続いて、ミラも疲れたような顔で呟いた。
トイレに着くと、ハーマイオニーはお鍋に新しい材料を入れて、夢中でかき混ぜ始めた。
「あと二週間で出来上がるわよ」と、嬉しそうに言った。
「スネイプは君たちがやったって証明できやしないよ」
と、ロンがハリーとミラを安心させるように言った。
「だといいんだけど…まさかマルフォイが隣に来るなんて…」
ミラはその場に座り込み、疲労感を感じさせる大きなため息を吐いた。
「完全に怪しまれた…ごめん、なんとかするって言ったのに」
「あれは仕方なかったというか、ハリーが花火を入れるところを見せないようによく頑張った方だと思うよ。手まで怪我して見せるんだから」
ロンはミラの隣にしゃがみ込むと、肩に手をポンっと置いた。
「マルフォイだって君が花火を入れていないことはわかっている。スネイプに聞かれても、多分、大丈夫じゃないかな…」
「自信なさげに言われても困る」
怪しい行動をしていたと言われれば、スネイプ先生から追求されるかもしれないが----。