第32章 ガールズトーク
ミラはハーマイオニーが素直に自分の気持ちを打ち明けてくれたことに安心を感じた。ドラコと仲良くなれば、三人が快く思わないことは考えなくてもわかっていたし、ドラコとのくだらない喧嘩で距離が空くのも嫌だった。
しかしドラコと話した時、何かドラコに言いたかったことがわかった気がした。まだ確証はないものの、それはこれから考えていけばいいかと、ミラは眠りについた。
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次の日には、ミラはいつも通りの様子にハリーとロンは安心した。二人はハーマイオニーに、ミラが何に悩んでいるか聞いたが、ハーマイオニーは絶対に言わなかった。「女の子にしかわからないことよ」と、二人がこれ以上聞かないように言った。
普段通りのミラに、ハリーとロンももう気にしていなかった。最後の午後の授業のクラスに向かってハリー、ロンが前を歩き、少し後ろにミラとハーマイオニーが並んで歩いている時だった。反対側の廊下からスリザリン生の上衣が見えた。ハリーはどうかマルフォイはいませんようにと思ったが、その思いも虚しく、スリザリン生の先頭を偉そうに歩いているドラコの姿が見えた。
ロンも何事も起きませんようにと思ったが、ハリーとロンの姿を見つけたドラコは、後ろにいたクラッブとゴイルにコソコソと何か話すと、二人はゲラゲラとバカ笑いしだした。ニヤニヤと悪い顔をしてハリーのことを言っているんだろうと、ハリーとロンは確信した。
言わずともわかると、無視を決め込んで歩いていると、何か言わないと気が済まないのか、ドラコはハリーに声をかけた。
「今日はサイン入り写真は配ってないのかい?クリーヴィーが石化したおかげで、お前のサイン入り写真が貴重なコレクションになったな、ポッター」
「黙れ、マルフォイ!」
せせら笑っているドラコたちに、ハリーは足を止めてドラコを睨み付けた。ロンもドラコの発言に気分を悪くし、ハリーの隣に並んだ。挑発に乗ったハリーに、ドラコはクラッブとゴイルを隣につけた。