第31章 狂ったブラッジャー
「大丈夫だよ、どこも痛くないし」
「だろうな」
「あ、でもマクゴナガル先生には呼ばれてたな」
「そろそろ行かないと」、とミラが言うと、ドラコは鼻を鳴らした。
「フン、せいぜい束の間の勝利を味わっておくんだな、次は僕たちが勝つ」
と、ドラコはそう言って、ミラより先に前へ歩いてしまった。すっかり調子が戻ったように見えたが、きっと数日は落ち込むに違いない。
それでも、最初に見つけた時よりかはマシになったと、ミラは思った。
・・・・・
「ポッターを守るために駆けつけたこと、とても誇りに思います----ですが、ブラッジャーを止めたあの力について、貴方に話しておかなければなりません」
急いでマクゴナガル先生の部屋に向かえば、マクゴナガル先生は泥だらけの格好のミラを気にすることなく、暖炉の近くにある椅子に座らせた。マクゴナガル先生は向かいの椅子に腰掛けると、どこから話すべきかと少し考えてから、口を開いた。
「その力を使ったのは、今日だけではありません。心当たりがありますね?」
ミラは少し考えた後、小さく頷いた。
「トロールの時ですか?」
「ええ、そうです。ダンブルドア校長と話して、これは憶測なのですが、貴方は人より魔力が多いのではと考えています。多すぎる魔力に、貴方の体がついていけていないのではと----トロールの時もそうですが、膨大な魔力を一気に放出したことで、体も、そして脳にもダメージを受けている可能性があります。鼻血を出しているのが、その証拠ともいえます----」
マクゴナガル先生は一息入れた。
「その力を使うことは今後禁止します。貴方の命に関わることです」
「でも先生、この力のおかげでハリーたちを助けたこともあります!今日だってハリーがブラッジャーに----」
「それでもです」
マクゴナガル先生はピシャリとミラの言葉を遮った。