第31章 狂ったブラッジャー
みんながケーキやお菓子、かぼちゃジュースやらを持ち込んで、ハリーのベッドの周りで楽しいパーティが始まろうとしたその時、声を聞きつけたマダム・ポンフリーが鼻息を荒くして入ってきた。
「この子は休息が必要なんですよ。骨を三十三本も再生させるんですから!出て行きなさい!さあ!」
マダム・ポンフリーに医務室を追い出され、みんなはグリフィンドールの談話室に向かった。
「私、マクゴナガル先生に呼ばれているから、先行ってて」
と、ミラはみんなとはついて行かず、選手たちが医務室に来た時にできたであろう泥水がついた廊下を辿った。辿っている途中、スリザリンのフリントとすれ違ったが、不機嫌そうに歩いて行った。ミラはフリントが来た道を小走りで走った。きっとまだ遠くに入っていないと、ミラはそう思いながら、誰もいない廊下を小走りで走っていると、肩を落としたドラコの後ろ姿を見つけた。
「ドラコ」
ドラコの近くまで来ると、ミラは声をかけた。ドラコは一度だけ後ろを見て誰だか確認すると、また前を向いた。
「なんだ、笑いに来たのか」
その声はいつもより沈んでいた気がした。
「自分の頭の後ろにいたスニッチにも気が付かないシーカーなんて、笑い物でしかない」
「勝手に自分を皮肉るのはいいけど、私はそんなつもりで来たんじゃない」
ミラは語気を強めて言った。
「次はハリーじゃなくて、もっとスニッチに集中したらって言いたかっただけ」
「選手でもなんでもないくせに、余計なお世話だ…どうせお前も…あの時の応援も、なんの意味もなかったんだろ」
ミラは段々イライラし始めた。ムカついて、無防備なドラコの肩に手加減しながら殴りつけた。
「痛いっ!何をするんだ!」
やっと振り向いてミラに怒鳴るドラコに、ミラは一歩も引かず、むしろドラコの首元にの服を掴んで引き寄せた。