第31章 狂ったブラッジャー
「ハリー!ミラ!しっかりしろ!!」
一番乗りでやってきたフレッドが、二人に声をかけながら箒を乗り捨ててやってきた。その後にジョージ、ウッド、他のグリフィンドールチームが続々駆け寄ってきた。フレッドはハリーのすぐ側で倒れているミラを抱き起すと、顔色が悪く、鼻から血を流して気を失っていた。
そしてそこへ、たくさんのグリフィンドール生と、ロックハート先生も駆けつけると、気を失っていたハリーが目を覚ました。
「おお、ハリー!ちょうど目が覚めたみたいだね。心配しないで、私が君の腕を治してあげよう」
「やめて!構わないでください----医務室に行きますから」
ハリーは大声で叫んだ。
「大丈夫ですよ。この魔法は簡単で、数え切れないほど使ったことがあるので」
ロックハート先生はハリーの声を無視して、自身の杖を振り回してハリーの腕に向けた。腕の痛みは消えたが、腕とは思えない感覚があった。ハリーは魔法がかけられた腕から目を背けた。コリンが狂ったようにシャッターを切る音も聞こえた。
「あ…まあ、時にはこんなことも起こりますね。でも、要するにもう骨は折れていない。それが肝心だ。それじゃ、ハリー、医務室まで歩くときは気を付けて----あっ、ミスター・ウィーズリー、ミス・グレンジャー、彼に付き添って行ってくれないかな?私はミス・グローヴァーの様子も見たいのでね----」
「ミラなら、僕たちが責任を持って医務室に連れて行きます!」
フレッドは慌ててミラを抱えると、ジョージと一緒に一目散に医務室へ走った。ハリーの腕がグニャグニャのゴムのようになってしまったのを見て、二次被害が出かねないと周りにいたグリフィンドール声は思った。ヘタをすると、脳みそを消されかねないとすら思った。
ハリー、ロン、ハーマイオニーはホッとしながら、医務室に連れていかれるミラの後を追うように、医務室へ向かった。