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【HP】怪鳥の子

第29章 継承者


「そんなことって…僕には大変なことだよ」
「そうかもしれないけど…でも、もしハリーがスリザリンに入っても、私もスリザリンに入ったよ」
「え?」
「ハリーに何があっても、私はハリーの味方だ。だってハリーは私の家族だから」

 ハッ、とハリーは顔を上げた。曇っていた心が晴れるような気分だった。

「あの時はあんなこと言ったけど、本当はハリーと一緒がよくてグリフィンドールに入った。でもあれも本心だから」
「ミラ…僕、なんて言っていいか思いつかないんだけど、ありがとう。ミラがいてくれなかったら、こんな悩みも話せなかったかも----僕も君がどこの寮に行っても、僕は君の味方だ」

 ハリーは悩んでいたことを話せて、少しスッキリした顔をしていた。

「そにれにしても、ハリーもスリザリン勧められてたなんて…二人でスリザリンに入ってたら、今頃どうしてたかな?」
「想像したくないよ、特にスネイプのことなんか…」
「フフッ。多分私たちのことで頭を悩ませそうな気はするけど」
「即刻退学にするさ、アイツなら」

 ミラとハリーはクスクス笑い合うと、お互いのカバンを置きに部屋に戻った。



 その夜、四人は談話室の、できるだけパーシーから離れた場所のテーブルを陣取った。ロンはまだ機嫌が収まっておらず、呪文学の宿題にインクの染みばかりを作っていた。インク染みを拭おうとロンが何気なく杖に手を伸ばしたとき、杖が発火して羊皮紙が燃え出した。ロンも宿題と同じくらいに熱くなり、『標準呪文集二学年用』を音を立てて閉じた。

「なんなんだよ、本当に!」

 驚いたことに、ハーマイオニーもロンと同じことをした。

「だけど、一体何者かしら?」

 そう言ったハーマイオニーの声は落ち着いていて、まるでそれまでの会話の続きのように自然だった。

「スクイブやマグル出身の子を、ホグワーツから追い出したいって願ってる奴のこと?」

 ミラは宿題から顔を上げて、ハーマイオニーの会話に参加した。
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