第26章 汚れた血
そしてやっと週末がやってきた。
「おはよう、ミラ」
女子部屋から降りてきたハーマイオニーが、談話室のソファで変身術の本を読んでいたミラに声をかけた。ミラは隣に腰掛けたハーマイオニーに微笑んだ。
「おはよう、ハーマイオニー」
「いつも思うけど、あなたって早起きよね」
「勝手に目が覚めるってのもあるけど、この時間なら誰もいないし、静かでおすすめ」
読んでいた変身術の本を半分をハーマイオニーの方に向けると、ハーマイオニーは喜んで読み始めた。
「これ、去年マクゴナガル先生がくださった本よね?」
「うん。わかりやすくて何回も読んでる」
本意はミラの小さなメモがあちこちに書き込まれていた。
「変身術って、一番魔法使いっぽくて楽しい」
クスクスと、ハーマイオニーは笑い出した。
「ミラはマクゴナガル先生のこと、すごく慕っているものね」
「…!そんなんじゃ…!」
「どの授業より楽しんでるの、私知ってるんだから」
ミラは口をモゴモゴさせ、何か言い返さなければと思ったが、言い返すより黙ったほうが無難だと思い、本を読むことに集中した。
それからしばらくして、ロンが男子部屋からやってきた。
「おはよう」
「おはよう、ロン----ハリーは?」
「クィディッチの練習だって」
と、ロンは欠伸を噛み殺しながら言った。
どうやらクィディッチのキャプテンであるウッドが、早速練習を開始したらしい。今年も大変だなと、ミラは内心ハリーを想った。
クィディッチなら仕方ないと、三人は大広間へ向かった。
「どうせなら、朝食を持ってハリーの様子でも見に行かない?」
「いいね、それ」
三人はトーストにバター、マーマレードやイチゴのジャムを塗って、サンドイッチにした。ナプキンで包み、ハリーたちがいるクィディッチ競技場に向かった。