第26章 汚れた血
それからしばらく、ロックハート先生が廊下を歩いてくる姿が見えるたびに、ハリーは隠れるようになった。変に絡まれるのが嫌だとわかっている三人は、文句も言わずにハリーと一緒に隠れた。
しかし、それより厄介だったのがコリン・クリービーだった。コリンはハリーの時間割を暗記しているのか、どこを歩いていても「ハリー、元気かい?」と、声をかけてくるのだ。
「やあ、コリン」と、ハリーがどんなに迷惑そうな声を出そうが、コリンは最高にワクワクしている様子がうかがえた。ミラが鬱陶しそうな目を向けると、そそくさと逃げてしまうのだが----。
「ハリー、ああ言うのはハッキリ言ったほうがいい」
ハリーが優しいことは知っている。だが、一日に何回も呼びかけられ、邪険にしているハリーの様子を見たミラがついに言った。
「たとえば?」と、ロンが聞いた。
「失せろ、ストーカー」
「ハッキリしすぎじゃないかい?」
「しつこいのは嫌いなんだ」
四人で食事や勉強をしているときでさえ、コリンは声をかけてくるせいで、ミラはますますコリンが鬱陶しい存在に思えていた。
週末の土曜日の午前中、みんなでハグリッドを訪ねるのが待ち遠しいとミラは思った。呪文学で、ロンが手にしていた杖が手から飛び出し、フリットウィック先生の眉間にまともに当たり、痛そうな緑色のコブを作ってしまった時は、吹き出しそうになってしまった。