第25章 友のため
薬草学の授業はマンドレイクの植え替えは中々悲惨だった。授業が終わる頃には、ミラもクラスの誰もが汗まみれの、泥だらけの姿で、体のあちこちが痛んだ。
急いで城に戻り、汚れを洗い落としたあとは、『変身術』の授業だ。ミラは談話室からスキップをしそうなほど、ウキウキと授業に向かった。
「今日は皆さんに、この黄金虫をボタンに変えてもらいます」
配られた黄金虫を、ミラは呪文を唱えて杖を振ると、黄金虫はたちまち姿を変え、金色のボタンへと姿を変えた。隣の席のハーマイオニーもすでに黄金虫をボタンに変えており、完璧なコートのボタンが机の上に転がっていた。
「さすがだね、ハーマイオニー」
「ミラのボタンも素敵だわ、交換しない?」
「もちろん」
二人がボタンを交換していると、マグコナガル先生は、新たな黄金虫を二人に与えた。二匹目の黄金虫は、今度は明るいエメラルド色のボタンへと変身させた。
「随分と上達されたようですね」
意気揚々と、黄金虫をボタンに変えたミラたちを見たマクゴナガル先生は誇らしげに二人に眼差しを向けた。ポッとミラの白い頬に赤みが刺し、机の絵に転がるボタンを見ながらミラは頷いた。
「夏に出された課題を頑張ったおかげだと思います…」
「ええ、貴方のレポートを見させてただ来ました。しっかりと要点を押さえて、わかりやすくまとめてましたね----素晴らしい出来でしたよ」
口角が自然と上がるのが分かった。
「貴方たちに十点ずつ、差し上げましょう。課題も含めてです」
どこか嬉しそうなマクゴナガル先生の背を見送ると、ミラとハーマイオニーはお互い顔を見合って大喜びしあった。
「やったわ、ミラ!私たち、褒められたわ!」
「夏中、変身術の勉強をしておいてよかったよ」
しかし、マクゴナガル先生の機嫌も、ハリーやロン、他の生徒たちのせいで不機嫌になってしまうのだが、ミラはますます変身術の授業は頑張ろうと、心に決めた。