第25章 友のため
ロンと双子のフレッドとジョージが車で助けに来てくれた時に、怒って出迎えてくれた時の比ではなかった。ミラとハリーは石になったみたいに、ロンに吠えている封筒を見ていた。
『昨夜、ダンブルドア校長から手紙が来て、お父さんは恥ずかしさのあまり、死んでしまうかと心配しました。お前も、ハリーもミラも、間違えれば死ぬところだった----』
やはり自分の名前が出たかと、ミラはハリーの顔をチラリと見たが、それはハリーも同じだった。鼓膜が破けるのではないかと思いながらも、座ってその手紙が収まるのを待った。
『まったく、お前には愛想がつきました!お父さんは役所で尋問を受けたのですよ!みんな、お前のせいです!今度ちょっとでも規則を破ってみなさい!私たちがお前をすぐに家に引っ張って帰ります!』
赤い封筒は炎となって燃え上がり、灰となってテーブルの上に落ちた。
「わお…すっごく吠えたね」
灰となった封筒を、ミラ、ハリー、ロンは呆然と見ていた。何人かが笑い声を上げ、周りもようやくおしゃべりに戻り始めた。
「連れ戻すのが今日じゃなくてよかったじゃん」
「いいもんか…これから一年、ちょっとでも規則を破ってみろ----母さんが乗り込んでくるぞ」
「簡単なことよ、破らなければいいことよ」
ハーマイオニーが本を閉じて、キッパリとロンに言った。ロンは顔を顰めると、食べかけの朝食に戻った。
ハリーは申し訳なさそうな顔をして、食べかけのオートミールを自分の前から押し退けた。ミラも小さく息を吐くと、食べかけのトーストを口の中に押し込んだ。
アーサーとモリーには、夏中お世話になったと言うのに、役所で尋問を受けさせられることをさせてしまった。きっとハリーも申し訳なく思っているのだろうと、ミラも肩を落とした。
落ち込んでいる暇もなく、マクゴナガル先生がグリフィンドールのテーブルを回って、時間割りを配り始めた。時間割りを受け取ると、今日まず最初の授業がハッフルパフと一緒の『薬草学』だった。
これが『魔法薬学』だったら、ハリーはスネイプ先生の嫌味でますます元気をなくすだろうとミラは安堵のため息を吐いた。