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【HP】怪鳥の子

第24章 車通学


「去年とそう変わりないな」

 大広間は四つの長テーブルの周りに寮別で座っており、その上には数えきれなほどの蝋燭が宙に浮かんでいた。更にテーブルの上には金の皿やゴブレットが輝いている。

 天井はいつものように魔法で本物の空が映し出されていて、星がキラキラと輝いていた。丁度組分け帽子の儀式の最中で、帽子の前に並んいるのが新入生だと気が付いた。その中に、燃えるような赤い髪の毛を持った、ジニーがすぐ見つかった。
 去年と同じように、椅子の前にはマクゴナガル先生が帽子を持って、新入生の名前を言っている様子が見られた。


 一年前、ハリーと同じ寮に入るため、帽子に無理矢理グリフィンドールに入れてもらえるように駄々をこねたのが、昨日のように思い出せた。
 帽子はスリザリンに入れば楽しく過ごせると言ったが、グリフィンドールで苦だと思ったことはない。大事なものはハリーと、そして新たに二人の親友ができた。他に何があるのというのだろう。


 教職員テーブルには、真ん中にダンブルドア校長が座っているのが見えた。

「あれ、一番端に座ってるのハグリッドだ」と、ハリーがハグリッドを見つけた。

「またあんなにお酒を飲んでる…今なら面白そうな秘密が聞けるかも」
「犬の次はなんだっているんだ?巨大な猫で、尻尾がいっぱいあるとかじゃないよな」
「足がいっぱいあるとか」

 ロンは足がたくさん生えた猫を想像して、顔を顰めた。

「三頭犬にしろなんにしろ、僕はもう懲り懲りだ」
「ちょっと待って----ねぇ、教職員テーブルの席が空いてる---スネイプの席だ」

 ミラとロンも、去年スネイプ先生が座っている席を見ると、空席になっていた。

「もしかして、病気じゃないのか!」
「スネイプは魔法薬の先生だよ、病気なんかしても、自分でなんとかするさ」

 嬉しそうにいうロンに、ミラはそれはあり得ないと首を振った。

「じゃあ…辞めたとか!だってまた『闇の魔術に対する防衛術』の先生の座を逃したから!」
「もしかしたら、クビになったのかも!」

 ハリーとロンの声には熱がこもっていた。

「…そんな都合のいいこと…」

 そりゃ、病気だろうが、辞めようが、クビになろうが、嬉しいに越したことはないとミラも思った。スネイプ先生は冷血で、毒舌で、自分の寮の寮生には依怙贔屓な嫌な先生だ。
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