第22章 予期せぬ再開
すぐにモリーとジニーがみんなに追いつくと、モリーはカバンに入れていた大きなはたきでハリーについた煤を払い始めた。メガネはアーサーが杖で軽く叩くと、新品同様になった。
ハグリッドはハリーが安全だとわかると、またホグワーツで会おうと手を振って大股で去っていった。
「『ボージン・アンド・バークス』の店で誰に会ったと思う?」
と、グリンゴッツ銀行の階段を登りながら、ハリーがミラ、ロン、ハーマイオニーに話しかけた。ミラはすぐにマルフォイ親子かと思い浮かべていると、案の定ハリーの口から「マルフォイと父親なんだ」と出てきた。
「ルシウス・マルフォイは何か買ったのかね?」
「いいえ、売ってました」
と、後ろにいたアーサーが厳しい声でハリーに尋ねた。
「それじゃ、心配になったわけだ----どうにかしてルシウス・マルフォイの証拠を掴みたいものだ」
「アーサー、気をつけないと。あの家族は厄介よ、無理して返り討ちにあわないように」
確かに、ルシウス・マルフォイと対峙してみて、一筋縄ではいかない雰囲気を醸し出していた。どういうわけか、ルシウスはミラの顔を興味深そうに見ていた。珍しい目の色をしていたからだろうか----できればもう会いたくないなと、ミラはため息をついた。
「ミラ、大丈夫?」
「ん。平気----走り回ってちょっと疲れただけ」
ハリーは心配そうにミラを見た。
「ミラ、そういえば煤はどこで落としたんだ?」
ロンが不思議そうにミラを上から下まで見ても、ミラのどこにも煤が見当たらなかった。普段気にもしなさそうなロンに、ミラは恨めしそうにロンを見返した。
「走ってたら落ちた」
「嘘つけ」
ミラはロンを無視した。