第22章 予期せぬ再開
ミラの声に気が付いたハリーとハグリッドが顔を上げると、グリンゴッツ銀行の階段をすごい勢いで降りてくるミラと、その後ろで駆け降りてくるハーマイオニーを見つけた。
「無事でよかった!」
飛びついてきたミラをなんとか受け止めたハリーは、「ごめん」と申し訳なそうに謝った。
「こんにちは、ハリー、ハグリッド。また二人に会えて私とっても嬉しい----ハリー、眼鏡が壊れてるわ」
「ちょっとぶつけて…」
「ミラから聞いたわ、煙突飛行粉で言い間違えて違う暖炉に飛ばされたって…」
「----そういえばミラ、どうして君がここに?他のみんなは?」
ハリーはキョロキョロと周りを見渡したが、ウィーズリー一家の姿はどこにもない。
「あなたを心配して飛び出してきたみたい…でも見つからなくて、みんなのところに戻ろうとしてたの。その時に私と会ったのよ」
「でも本当に無事でよかった。なんかここって危ないところもあるらしい」
ミラがそういうと、ハリーとハグリッドが目を合わせた。
「実は…」と、ハリーが言いかけた時だった。
「おまえさんら、後ろを見ろ」
ハグリッドがにっこりしながらミラたちの背後を見て言った。三人は振り返ると、人混みでごった返している通りを、モリーとジニー以外のウィーズリー家の男たちが駆けて来る姿が見えた。
「ハリー」と、アーサーが息を息を切らしながら話しかけた。
「せいぜい一つ向こうの火格子まで行き過ぎたくらいであればと願っていた----それにミラ、君もいなくなってすごく心配したんだよ」
アーサーは禿げた額に浮かぶ汗を拭った。
「モリーは半狂乱だったよ、今こっちに来るがね」
「どっから出たんだい?」
ロンが尋ねると、ハグリッドが暗い顔で答えた。
「『夜の闇横丁』だ」
「すっげぇ!」
フレッドとジョージが同時に叫んだと同時に、ミラはハリーをビックリした顔で振り向いた。まさか『夜の闇横丁』にハリーがいたなんて、もしルシウスが止めなければ、ハリーを見つけることができたかもしれないと後悔した。
「いいな、ハリー。僕たち、そこに行くことを許してもらったことがないよ」
「その方がずっとええぞ、ロン。あそこは行くべきじゃねぇ」
と、ハグリッドが呻くように言った。