第22章 予期せぬ再開
ちょうどグリンゴッツ銀行の前を通った時、聞き覚えのある声に名前を呼ばれて、ミラは辺りを見回した。
「ミラ!ここよ!」
「ハーマイオニー!」
声を頼りに顔を振り向くと、ハーマイオニーがグリンゴッツ銀行の白い石段の一番上にいた。ミラは嫌な気分がパッと無くなり、笑顔でグリンゴッツ銀行の階段を駆け上がった。
「会いたかった!」
「私もよ!」
二人は感動の再会だとばかりに、強く抱きしめあった。
「元気そうでよかったわ」
「しぶとさならハリーと同じくらいさ」
「そういえば、ハリーはどこ?ロンも一緒じゃないの?」
「実は…」
ミラが一人であることに気がついたハーマイオニーに、ミラは何が起こったか説明した。ハリーが煙突飛行粉を使って、今迷子なのだと知ったハーマイオニーは、心配な表情をしてミラの話を聞いていた。
途中ドラコとルシウスに会った事は、めんどくさくなりそうな気がしてあえて話さなかった。
「でもあなたに何も怪我がなくてよかった」
「ははは」
一年生の時は髪の毛に呪文が当たって短くなり、賢者の石を守るためにトロールとタイマンをして、全身の骨にヒビを入れたり、ハーマイオニーに多大な心配をかけたことに、ミラは笑って誤魔化した。
まさかルシウスの魔法でハーマイオニーの心配を回避したなど、認めたくなかったが…。きっと煤だらけで、怪我もしていたら、今のようにハーマイオニーは穏やかではなかっただろう。
「ミラ、見て!あれ、ハグリッドよ!それにその横に、ハリーがいるわ!」
「え!?」
ミラの後ろを指さしたハーマイオニーに、ミラは勢いよく振り返った。そこには、人混みの中にいるのに、ハグリッドが大きすぎるせいか、はっきり見てわかった。
そしてその横に、ハグリット必死に着いて行こうとするハリーを見つけた。
「ハリー!」
ミラは大声でハリーの名前を呼ぶと、ハリーとハグリッドはその声に気が付いた。ミラは階段を何段か飛び越えながら、ハリーの元へ駆け寄った。その後ろにハーマイオニーが一段ずつ足を付けながら、階段を降りてきた。