第21章 ウィーズリー家
「この一式は安くないぞ、何しろロックハートの本は安くない」と、ジョージが心配そうに両親をチラリと見た。
「まぁ、なんとかなるわ----多分、ジニーのはお古で済ませられると思うし」
モリーは心配そうな顔をしていた。ミラはジニーの教科書のリストを覗き見て、そこにいくつか見覚えのある名前を見つけた。
「おばさん、私の去年の使ってた教科書がトランクに入ってるので、気にならなければもらってください」
「あら、いいの?」
「もう宿題も終わらせてあるので、大丈夫です」
「とても助かるわ、ありがとう」
ニッコリとモリーはミラに微笑むと、ミラは残りのトーストを口の中に放り込んだ。
「君も今年ホグワーツ入学なの?」
と、ハリーがジニーに尋ねると、ジニーは頷きながら、真っ赤な髪の毛の根元のところまで顔を真っ赤にして、バターの入った皿に肘を突っ込んでいた。どうしたらそうなるんだろうと、ミラは不思議に思った。
幸運にもそれを見ていたのはミラとハリーだけで、ちょうどそこへロンの兄、パーシーがキッチンにやってきた時だった。しっかりと着替えて、手編みのベストに監督生バッチをつけていた。
「ここ、学校じゃないのにね」
と、ミラはこっそりとジニーに耳打ちした。二人はクスクス笑った。
「みんな、おはよう。いい天気だね」
パーシーは一つだけ空いていた席に座ったが、途端に弾けるように立ち上がった。パーシーのお尻から、毛の抜けた灰色の毛ばたき----のようなものを引っ張り出した。毛ばたきは息をしていた。
「エロール!」
ロンは慌ててパーシーからヨレヨレのフクロウを受け取った。エロールの翼の下から手紙を取り出し、ロンは勝手口の内側にある止まり木まで、エロールを運んで行った。止まり木に止まらせようとしたが、エロールはポトリと床に落ちてしまった。「悲劇的だよな」と呟きながら、ロンはエロールを食器の水切り棚の上に乗せてやった。
「やっと来た----エロール爺さん、ハーマイオニーの手紙をやっと持ってきてくれた」
「無事帰ってきてくれてよかったね」
ミラがエロールに近付くと、毛が抜けてバサバサの頭を労うように撫でてあげた。