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【HP】怪鳥の子

第21章 ウィーズリー家


 流石に気の毒だと思ったのか、ロンは同情の目を向けた。

「あの本、うっかり燃えないかな」
「それこそ母さんの怒りに火がつきそうだよ」
「それはヤバい」

 ロンの母、モリーは怒らせてはいけないと、ミラはウィーズリー家についたその日に理解していた。

「あんな魔法使いもいると思うと、なんか幻滅した」
「目立ちたがり屋なんて結構いるもんさ」


 そんな楽しい『隠れ穴』に来て一週間がたった頃、ホグワーツからのハリーとミラ宛に手紙が届いた。その日はミラ、ジニー、そしてモリーと朝食を先にとっていた時だった。

 ハリーとロンがキッチンにやってくると、ハリーを見たジニーは、どうやってなのか、オートミール用の容器をひっくり返してしまった。もうミラは見慣れていたが、ジニーはハリーを見かけるたびに何かをひっくり返していた。
 ジニーと一緒にテーブルの下に屈んで落ちた皿を拾い、真っ赤な夕日のような顔のジニーを揶揄うことはぜず、ミラは微笑ましくジニーを見ていた。

 ハリーは何にも気付かないふりをして、モリーからもらったトーストを齧っていた。
 「学校から手紙だ」と、アーサーがハリー、ミラ、ロンの順番に手紙を渡した。

「ダンブルドアは君たちがここに居ることをもうご存知のようだ----何ひとつ見逃さない方だよ、あの方は。ほら、お前たち二人にも来てるぞ」

 パジャマ姿のフレッドとジョージが、目の覚め切っていない足取りで台所にやってきた。

 みんなが手紙を読んでいる間、キッチンは静かになった。ミラは新学期用の新しい教科書のリストに目を通していると、眉間にシワが寄り始めた。

「何、これ…」
「君のもロックハートの本ばっかりだ!」

 自分のリストを読み終えたフレッドが、ミラのリストを覗き込んで言った。

「『闇の魔術に対する防衛術』の新しい先生はロックハートのファンだぜ、きっと魔女だ」

 フレッドが慌てて自分のパンにマーマレードを塗りたくり始め、ミラはモリーがフレッドを見ていることに気が付いた。
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