• テキストサイズ

【HP】怪鳥の子

第21章 ウィーズリー家


「わぁ…ミラの目って本当に宝石みたいに綺麗!」

 どこかで聞いたようなセリフを、ジニーが興味津々でミラを見て言った。慣れない言葉に、体がムズムズするような、気恥ずかしい気持ちでミラは体ごとジニーから逸らした。

「本当に素敵よ、私もそっちの方が好きだわ」

 モリーも話しに参加し、ミラはいよいよ耐えきれなくて「庭掃除に行ってきます」と、そそくさと庭に飛び出していった。


「何か気に触るようなことを言ったかしら?」

 モリーは庭に飛び出していったミラを心配そうに見ていた。

「照れくさいだけだよ、母さん」
「前も髪の毛を切った時、あんな感じだったよ」

 様子を見ていたフレッドとジョージが、楽しそうに、でも面白いものを見れたとニヤニヤしていた。





 『隠れ穴』での生活は、ハリーとミラが想像していたより大きく違った。ダードリー一家は何事もきちんとしていないといけなかったし、孤児院でも山のように押し付けられる仕事をこなさなければいけなかった。

 それがここでは一切それがなかった。みんなが好きなことをやっているし、フレッドとジョージの部屋から爆発音がしても、誰も気にしない。それが当たり前だという顔をしていた。

 それでもハリーとミラを一番驚かせたのは、みんなが二人を好いているらしいということだった。モリーは二人に無理やり何回もおかわりをさせようとしたり、アーサーは二人を自分の両隣に座らせて、マグルの生活について根掘り葉掘りと質問攻めだった。

 そしてミラはハリーといないときは、いつもジニーがミラの隣を独占していた。ミラも特に気にした様子はなく、二人で楽しく話し合っている様子を、モリーは姉妹のようだと嬉しそうに見守っていた。

 しかしミラには一つだけ苦手なものがあった。モリーが何かとギルデロイ・ロックハートの本を勧めてくることだった。どうにも表紙の人物が苦手だった。

「本当に彼の本は素敵よ、読んでみたらわかるわ」

 と、押し付けられた本は、ジニーの部屋の隅に置かれていることを、モリーはまだ知らないのである。
/ 677ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp