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【HP】怪鳥の子

第21章 ウィーズリー家


 逃亡劇は長くは続かなかった。庭中をハリー、ロン、フレッドに追い回されてミラを捕まえたのは、準備をしていたジョージだった。完全に不意を突かれて捕まり、ミラは双子に両腕を拘束されて連行された。


 髪を切るのはもちろんフレッドだった。ミラも流石に逃げ疲れたのと、半分諦めた様子で大人しく髪を切られていた。後ろは簡単に整え、前髪は例の如くバッサリと切られてしまった。

「ミラってこんなに髪の毛サラサラだったっけか?」

 髪を切り終えて、フレッドは疑問に思っていたことをミラに問いかけた。視界が広くなり、少し落ち着かない様子のミラは、どう答えようか悩んだ。
 ここでマルフォイ家の話を持ち出すのは、気が引けることだった。それにドビーの件もあり、ハリーに罠が仕掛けている相手がドラコだとすると、ミラは複雑な気持ちでいっぱいになった。

「ハーマイオニーがブラシを貸してくれて…」

 そう言うしかなかった。ドラコの話をしても、みんなの顔を顰めさせるだけだとミラはわかっていた。特にハリーとロンは。もしかすると、ロンがアーサーに告げ口をして、あのブラシを調べられる可能性もある。それだけは嫌だった。

(次会ったら何を企んでるか聞き出さないと)

 簡単に口を割るような人物ではないことは分かってはいる。特にミラはハリーに一番近い人物であり、警戒もされやすい。迂闊にこちらの情報を与えれば、不利になる可能性もある。

 いい人物ではないことは確かなはずなのに、ハリーやロンのように嫌いになりきれないことに、ミラは薄々気が付いていた。

 よくわからない、モヤモヤした気持ちになり、ミラはフレッドにお礼を言って席を立った。
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