第21章 ウィーズリー家
女の子達の夜は長い。
「ミラは…ハリーのことが好きなの?」
自分が知り得るハリーのことを一通りジニーに話した後、ジニーはモジモジしながらミラに聞いた。
「好きだよ」と、即答すれば、ジニーがショックを受けたような顔をしたので、ミラは慌てて付け足した。
「えーっと、ハリーは何ていうか----うーん…親友だけど、ほっとけない弟って感じ」
「そうなんだ」
「マグルの世界じゃ誰も私たちを助けてくれないから…だから二人で励まし合ったし、ハリーをいじめる奴は、みんな私が倒したんだから!ハリーにだって勝つ自信もある」
「わたし、ロンから聞いたことある。あなたがスリザリンの生徒と喧嘩して、無傷で勝ったって!」
「ああ、あの時は----」
次の日の朝、朝食を食べていたハリーとロンは鳩が豆鉄砲を食ったような顔で、二人仲良く階段から降りてきたミラとジニーを見ていた。昨日はお互いが少し気まずい様子を見せていたのに、今は二人でクスクス笑い合っていた。一晩で何が起こったのだろうと二人は不思議に思った。
「おはよう」
「おはよう、ハリー、ロン」
ハリーの挨拶に答えたのはミラだけだった。ジニーはミラと楽しそうに話していたのに、ハリーが話しかけた途端、顔を真っ赤にしてミラの後ろに隠れた。
そんなジニーにお構いなく、ミラはハリーの隣に腰掛けると、ジニーもミラの隣りに素早く席についた。ハリーとロンのお皿には、もうわずかな朝食しか残っていなかった。
「遅かったね」
「昨日ジニーといっぱい話しをしててね」
「ね?」と、ミラはジニーに笑いかけると、ジニーはミラの後ろにハリーが見ていることに気が付いて、慌てて顔を何もないテーブルに戻した。
「おはよう、お二人さん。昨晩は楽しかったみたいね?」
モリーが朝食を盛ったお皿を持って、ミラとジニーの前に置いた。
「はい、とっても」
ミラはニヤッとジニーをイタズラっぽい目で見ると、ジニーもこっそり笑った。
「いいわね、女の子が二人もいるとここも少しは華やかになるわ」
モリーは機嫌良さそうにキッチンに戻っていった。