第21章 ウィーズリー家
その日の夕飯の時まで、ジニーはほとんど部屋に篭りっきりだった。モリーがミラ達がいない時に、ミラがジニーの部屋で寝ることを伝えていてくれたらしく、少しぎこちないながらも、ジニーは部屋に入れてくれた。
ロンの部屋と違って、ジニーの部屋は女の子らしいものが揃っていた。
ミラもジニーとどう接していいのかわからなかったが、ベットは一つしかない。予備のマットレスは既にハリーに譲ってしまったのだ。
ジニーのベッドは、二人で寝るにはまだ少しだけ余裕があった。が、こんなぎこちないままで一緒に夜を明かすには気まずいと思った。
「ハリーのこと、教えてあげよっか」
ジニーと話す共通の話しはこれしかないと、ミラは提案をジニーに投げかけた。気まずそうにしていたジニーも、パッと顔を上げて、ミラを見上げた。
「実はガーデニングできる」
「嘘!」
「本当さ。なんならここの庭を任せてみるといい、バラのお手入れもお手のもんさ」
本人はやりたくてやってはいないけれど、ジニーが興味津々で見てくるので、ミラはまぁいいかとベッドに腰掛けているジニーの隣に座った。
ジニーは少しモジモジしていて、赤毛に見え隠れしている耳までもが同じ色をしていた。
「クィディッチのシーカーをしているハリーって…かっこいい?」
「かっこいいも何も!最高のシーカーさ!!」
ミラは熱が入ったように、ハリーのクィディッチの様子をジニーに話し始めた。シーカーに選ばれた日から初めての試合や、ハリーが活躍したと思われる場面を、ミラはキラキラした顔で語った。
ジニーは聞き上手だった。ハリーが箒から落とされそうになった時は静かに、他のシーカーを抜いて華麗にキャッチした時は嬉しそうに。
「学校が始まったら、特等席でハリーの応援に行こう!」
「うん!」
ジニーは花が咲いたように、笑顔で答えた。