第20章 隠れ穴にご招待
「あー…コホン、ところでハリー、ミラ…そろそろ話してくれるよね?一体何があったんだい?」
ロンが待ちきれないように二人に声かけた。ハリーとミラは腕を緩めると、座席に座り直した。
まずはハリーから話しだした。ドビーという”屋敷しもべ妖精”が現れ、手紙を取られていたこと、警告を受けたこと、ペチュニア伯母さんが作ったスミレの砂糖漬けデザート騒動、三日間トイレ以外は外に出ることができなかったこと。
ロンたちはショックで黙り込んでしまった。ハリーがミラのことを聞くと、ミラも話しだした。
ハリーの伯父さんと言い争ったこと、魔法が使えないことを黙っていて叩かれたこと、軟禁されそうだったことを話すと、その場の空気はますます重くなった。
「別にこれが初めてじゃないから、そこまで気にしないで。それに、トロールと比べたら全然平気」
「平気って…」
ハリーとミラは本当に気にしている様子がなかったが、それが異常だとロンも双子もこっそり思った。
「その----ドビーってやつ、くさいな。ハリーだけじゃなくて、ミラの手紙まで止めていたし…それに、誰がハリーに罠を仕掛けているっていうのは教えてくれなかったんだな?」
フレッドは話が進まないと思い、気になっていたことをハリーに聞いた。
「教えられなかったんだと思う…何かを言おうとすると、ドビーは頭をぶつけ始めるんだ」
フレッドとジョージが顔を見合わせた。
「そのドビーが、ハリーに嘘をついてるって可能性は?」
と、ミラは双子に聞くと、フレッドが「うーん」と唸った。
「なんて言ったらいいのかな…”屋敷しもべ妖精”ってのは、それなりの魔力があるんだ。だけど、普通は主人の許しがないと使えない。ドビーのやつ、君がホグワーツに戻らないようにするために、送り込まれて来たんじゃないのかな。ミラは多分ハリーに近いからだと俺は思う。誰かの悪い冗談だ。学校で君に恨みを持ってるやつ、誰か思いつかないか?」
「ドラコ・マルフォイ」
ハリーとロンが口を揃えて言った。ミラも口にはしなかったが、ドラコだと思った。
「あいつしかいないよ、ハリーを憎んでる」