第18章 夏の知らせ
コンパートメントに戻ってくると、通路にハーマイオニーが立っていた。中でハリーとロンが着替えているとハーマイオニーから聞くと、ミラもハーマイオニーの横に並んだ。
「随分長かったけど、トイレ混んでたの?」
「え?----あ、あぁ、トイレ、うん、混んでた。もうジョージのトイレが長くて…」
そういえばトイレに行った事になってたと、ミラは思い出した。咄嗟にジョージが頭の中に浮かび、ごめんと思いつつも、何故かドラコに会いに行っていた事は言えなかった。
言えばハーマイオニーはいい顔はしないだろうと、ミラはわかっていた。
ハリー達の着替えが終わると、ミラ達は交代して着替えた。
「夏休み、うちに泊まりに来てよ」
着替えが終わり、また四人で話していると、ロンが言った。
「三人に----フクロウ便を送るよ」
「ありがとう。ぼくも楽しみに待っていられるようなものが何かなくちゃ」
「本当だよ。早く夏休みなんか終わればいいのに」
ハリーとミラは顔を合わせると、苦笑いしあった。
色々な話しをしている間に、列車はあっという間にキングスクロス駅に着いた。久々に見た9と3/4番線のプラットホームに降り立ち、三人は壁の改札口に向かった。
外に出ると、ウィーズリーおばさんと妹のジニーの姿を見つけた。
「あそこだわ!ねぇ、ママ、見て!ハリー・ポッターよ!」
ジニーは金切声をあげて、ハリーを指さしていた。
「ウィンクしてあげなよ、ハリー。きっと今ならイチコロさ」
ヒヒヒ、とミラは意地悪くハリーに小突いた。ウィーズリーおばさんは、指を刺しているジニーを叱りつけていた。
ウィーズリーおばさんは、四人に笑いかけた。
「忙しい1年だった?」
四人は顔を見合わせると、笑い合った。「ええ、とっても」と、ハリーがモリーおばさんの質問に答えた。
「お菓子とセーター、ありがとうございました」
「とっても気に入ってます、素敵なセーターでした」
ハリーとミラはウィーズリーおばさんに感謝の言葉を送ると、「まぁ、どういたしまして」と、嬉しそうな顔をしていた。
「準備はいいか?」
と、そこへ水を差すような、聞いたことのある声が割って入ってきた。