• テキストサイズ

【HP】怪鳥の子

第18章 夏の知らせ


 こんな最高な日があっていいんだろうかと、ミラはその日の夜は興奮して中々寝付けなかった。


 そして次の日、ハーマイオニーに今日が試験の結果発表だと言われるまで、ミラはすっかり忘れていた。

「ハリーの心配はしてなかったけど----ロン、パスできたんだ」
「失礼だぞ!そう言う君はどうなんだ?」
「わたし?これ、見る?」

 ミラはテストの結果の紙を見せると、ロンはミラが学年で10位以内の文字を見つけると顔を顰めさせた。

「ぼくより勉強してなさそうなのに」
「隣のベットから教科書の子守唄がよく聞こえたからね」

 遠くを見始めたミラに、ロンは何も言わなかった。ハーマイオニーは言わずとも学年トップだった。



 部屋に戻って服や教科書、荷物を旅行鞄に詰め込んでいくと、洋服ダンスは空っぽになった。元々持っていた服が少なかったおかげか、ミラは女子の中で誰よりも早く片付け終わった。

 余った時間はネビルのヒキガエル探しに使った。ネビルのヒキガエルは、トイレの隅で隠れているところを見つかった----。


 『休暇中、魔法を使わないように』という注意書きの紙が全校生徒に配られると、双子のフレッドジョージが悲しそうに「こんな紙、配り忘れたらいいのに」とぼやいていた。


 ホグワーツ特急列車に乗り込んで、窓から顔を出してハグリッドと別れの挨拶をしていると、列車はゆっくりと進んだ。ハグリッドも、学校も見えなくなった頃、ミラは立ち上がった。


 「ちょっとトイレ行ってくる」と言って、ミラはコンパートメント一つひとつ確認しながら進んだ。中々お目当ての人物が見つからなかったが、食べ物で溢れかえっているコンパートメントの奥に座っている人物を、ようやく見つけることができた。

 一応ノックをしてドアを開けると、お菓子にがっついているクラッブとゴイルがぽかんとした顔でミラを見上げていた。

「やぁドラコ、探したよ」

 ドラコは眉を顰めながら、「なんだ」と機嫌が悪そうに答えた。クラッブとゴイルが立ち上がり、ミラを睨みつけて手をゴキゴキ鳴らしていた。
/ 677ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp