第17章 目覚め
その日の午後、マクゴナガル先生からハリーの意識が戻ったと伝えられると、三人は医務室へ走って向かった。なんとかマダム・ポンフリーにハリーの面会を五分だけだが、許可をもらえることができた。
「ハリー!」
ハーマイオニーが今にも両手でハリーを抱きしめようとしていたが、なんとか思いとどまった。
「やぁ、ハリー。気分はどう?」
ミラはハーマイオニーの後に続いて、のんびりハリーのベットの前に来て挨拶した。
「まぁまぁかな…君も大変だったって、ダンブルドア校長から聞いたよ」
「ハリー程じゃないさ」
「ああ、ハリー。わたしたち、あなたがもう駄目かと----ダンブルドア校長がとても心配してらっしゃったのよ----」
「学校中がこの話でもちきりだよ。本当は何があったんだ?」と、ロンが言った。
三人は興味津々でハリーの話しに耳を傾けた。話しの腰を折らないよう三人はハリーには質問せず、ハリーだけが行けた部屋での出来事に驚きを隠せなかった。
あのクィレルのターバンの下には何があったのか、『みぞの鏡』、『賢者の石』、そしてヴォルデモートのこと----。
「----それじゃ、石は無くなって、ニコラス・フラメルは死んじゃうの?」
ロンが尋ねた。
「ぼくもそう言ったんだ。でも、ダンブルドアは----ええと、何て言ったかな----『整理された心を持つ者にとっては、死は次への大いなる冒険に過ぎない』って言ってた」
「だからいつも言ってるだろう。ダンブルドアは狂ってるって」
ロンは自分の尊敬するヒーローの調子っぱずれ振りに、とても感心したようだった。
それからハリーとミラは、ハーマイオニー達があの後どうしたのかを静かに聞いた。トロールの部屋で気絶していたミラを見つけたこと--運べないと判断して、先にロンの意識を回復させにチェスの部屋に向かったこと--ロンが重体のミラを背負い、ダンブルドアに連絡を取ろうとフクロウ小屋に向かっている途中、玄関ホールでダンブルドア校長と出会したこと。