第17章 目覚め
まるでマクゴナガル先生を思わせるようなハーマイオニーの鋭い目に、ミラは助けを求めるようにロンを見た。ロンはミラの後ろにいるハーマイオニーを見ると、「ハーマイオニーの言う通りだ」と言った。思ってもいないくせにと、ミラはロンを恨みがましく睨んだ。
大広間に着くと、すでに大勢の生徒達が来ていた。ミラたちがやってくると、ミラを見た生徒達が一瞬静かになった。
「我らの眠り姫がやってきたぞ!」
「トロールは気を付けろ!退治されるぞ!」
しかし静かだったにも束の間で、グリフィンドール生達が座っているテーブルから、フレッドとジョージが立ち上がって叫び出した。
ミラは顔を引き攣らせて双子を見ていると、同級生たちが席を立って集まり出した。
「ミラ!!」
その中にネビルも混じっていて、ミラはネビルに金縛りの呪文をかけたのを思い出してドキッとした。怒っているのだろうか、ミラはちょっぴり不安だったが、それは一瞬で無くなった。
パーバティやラベンダーを押し退けて、ネビルはミラを強く抱きしめた。
「おかえり!!すごく心配したんだよ!!!」
ミラは信じられない気持ちで、強く抱きしめてくるネビルを見ていた。
「ネビル、わたし----あなたに酷いことをしたの覚えてないの?」
あえて冷たく言うと、ネビルはブンブンと首を横に振った。
「覚えてる!倒れそうになったぼくをちゃんと床におろしてくれたことも!でも君がああするしかなかったって、今ならわかるんだ!」
「だったら尚更----」
「ぼく、知ってるよ。君が本当はすごく優----」
「わたしお腹すいた!」
なんとかネビルの抱擁から抜け出すと、ミラは同級生達を置いてさっさと席に着いた。ハーマイオニーとロンもすぐに追いついた。
「すっかり懐かれたな」
「単純すぎる」
「ネビルもあなたの良さに気が付いたのよ」
「鬱陶しいのは好きじゃない」
キッパリとミラは言ったが、ハーマイオニーとロンはミラがただ照れくさいのだとわかっていた。