第17章 目覚め
「それってどういう----」
「もう五分以上経ちましたよ!さぁ、行きなさい」
気になるところでマダム・ポンフリーがやって来て、ハーマイオニーとロンは「それじゃ、また明日」と言って、医務室を出て行ってしまった。
ロンが言った通りならば、自分がトロールと戦ったこともバレているのだろうかとミラは思った。その予想は的中した。ウトウトしていた意識の中、何かコソコソするような音が聞こえてミラは目を覚ました。
音のする方を見ると、よく見知った燃えるような赤い頭が二つ、隣のベットでハリーを見ているようだった。
「----フレッド、ジョージ?」
「あ、ミラ!起こしちゃったかい?」
「ご機嫌いかがかな、お嬢さん?」
「…お嬢さんって呼ぶのはやめて」
目覚めたミラのベットの方に、フレッドとジョージは移動してきた。
「こうしてハリーと眠ってると、君達は双子みたいだ」
「危うくコイツを女の子にプレゼントするところだったよ」
本当にハリーとそっくりなのかは怪しいところだが、ミラはフレッドの手には何かを包んでいる袋を見つけた。
「二人も何かお見舞いの品を持ってきたの?」
「ああ、そうだ」
「でもこれは君へのじゃないんだ」
「きっとハリーは喜ぶぞ」
「どんな顔をするか楽しみだ」
二人はハリーが袋を開けた時のことを想像したのか、おもしろおかしそうに笑いを堪えていた。
「何が入ってるの?」
「知りたいかい?絶対ハリーには教えないと約束できる?」
「もちろん!」
退屈だったミラはウキウキした。
「実はこれ、トイレの便器なんだ」
「内緒だぜ、特にマダム・ポンフリーには!」
「ちなみにきちんと磨いておいたから大丈夫さ」
双子は嬉しそうに、すでに山積みになっているお菓子の山に紛れ込ませた。
「そういえば聞いたぜ、ロンから。巨大なトロールに突っ込んで骨がヒビだらけで動けないって」
ロンめ、余計なことを----と、ミラはフレッドから視線を逸らした。双子はミラが逃げれないことをいいことに、ミラのベットを両に挟んでニヤニヤ笑っていた。