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【HP】怪鳥の子

第15章 別れの言葉



「今晩、ぼくは仕掛け扉を開ける。君たちが何と言おうとぼくは行く!ぼくの両親は、ヴォルデモートに殺されたんだ」


 ハリーは三人を睨みつけた。


「----何で一人で行こうとするんだ?」

 ミラはため息をついて、呆れた顔でハリーを見た。

「ハリーが行くところなら、どんなところにだって行くよ!」

 ハリーの肩に腕を回し、ミラはハリーに微笑みかけた。

「その通りだわ、ハリー」

 ハーマイオニーも消え入りそうな声だったが、目はしっかりとハリーを見ていた。

「透明マントが戻ってきたのは幸運だったよ」
「でも四人も入れるかな?」
「四人って…君たちも来るのかい?」
「当たり前だろ!君たちだけで行かせられるかよ!」
「そうよ!二人でどうやって石にまで辿り着くつもりなの?わたし、今から本を調べてくるわ、何か役立つことがあるかもしれない!」
「ハーマイオニー、わたしも行くよ。もっと強力な魔法がないとあのマントの奴には勝てない!」


 二人はこうしちゃいられないと、慌てて図書館へ走っていった。

「ぼくたちも今夜歩く道の確認をしよう!もしフィルチに見つかった時に隠れられる部屋も探さないと」
「うん!」




・・・・・




 ミラとハーマイオニーが急いで図書館に向かっている途中で、ミラは向かいから歩いてくるプラチナブロンドの髪が目に入った。急足だった足が減速していくと、ハーマイオニーは「どうしたの?」と、声をかけてくれた。

「先行ってて」

 ミラはそう言うと、クラッブとゴイルを引き連れていないドラコに向かって歩き出していった。「ドラコ!」と、ミラが声をかけると、こちら気が付いたドラコが、怪訝な顔でミラとハーマイオニーを見た。

 ハーマイオニーもドラコの存在に気が付くと、複雑そうな顔をしたが、少しでも今夜に役立つ本を見つけるため、図書館へと足を進めた。


「何の様だ?」

 あからさまに今は忙しいと言う様に、ドラコはミラに問いかけた。

「用がなかったら話しかけちゃいけないのか?」
「ぼくは君と違って忙しいんだ」

 「ふぅん」と、ミラは興味なさげな返事を返した。
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