第15章 別れの言葉
「何が”先生もご一緒にいかがですか”だって?気は確かか?あいつは----例のあの人と繋がってるんだぞ!」
「ここでわたしたちが何も言わなかった方が、余計怪しまれる。それに、あの陰湿教師が私たちと一緒に外になんか行くはずがないよ」
「そうだとしても、スネイプと一緒に外で日向ぼっこなんて、ぼく考えたくないよ…」
ロンは苦々しい顔で言った。ハリーもハーマイオニーも、ロンの言ったことを想像したのか、二人も気まずそうな顔をしていた。
「それより、みんな…ここから離れよう」
ハリーはまた違う先生に声をかけられるかもしれないと思ったのか、外へ向かう石段のところまで歩き、三人に振り返った。
「誰か二人でスネイプを見張るんだ」
ハリーの提案に、三人はゴクリと唾を飲み込んだ。
・・・・
しかし計画は失敗に終わった。ミラとハーマイオニーは、スネイプ先生を見張るため、教職室の近くにいたはいいものの、まさかのスネイプに見つかってしまった。
ハーマイオニーは「フリットウィック先生を待ってるんです」と、ロンが考えた嘘でなんとか凌いだが、まさかスネイプ先生がフリットウィック先生を呼ぶとは思っておらず、ミラとハーマイオニーは身動きが取れないでいた。
ハリーとロンも、フラッフィーを隔離している扉の前に着いた途端、マクゴナガル先生が現れて追い出されてしまった。
四人は渋々と談話室に戻ってくると、ハリーは覚悟を決めたのか、三人を見て静かに呟いた。
「ぼくは、今夜ここを抜け出す。石を何とか先に手に入れる」
「危険だよ、ハリー!」「駄目よ!」と、ロンとハーマイオニーはハリーを止めた。
「マクゴナガル先生にもスネイプ先生にも言われたでしょ。退学になっちゃうわ!」
「だから、何だっていうんだ?わからないのかい?もし、スネイプ先生が石を手に入れたら、ヴォルデモートが戻って来るんだ!」
ハリーは叫んだ。
「もし、スネイプ先生が石を手に入れたら、ヴォルデモートが戻って来るんだ!あいつがすべてを征服しようとしていた時、どんな状況だったか聞いてるだろう?」
ハリーが退学しようがしまいが、ヴォルデモートが復活すれば、必ずハリーはどこにいても命を狙うということ。もしかすると、ホグワーツさえ闇の魔術の学校にされかねない。